コーチングとの違い
理論上、コーチングを受ける人とコーチの間柄は対等であり上下関係は一切ありません。しかし、薮原は両者の間には微かではあるがはっきりと上下意識が横たわっていると感じ、その力関係に違和感を持ち続けてきました。 ある時期は、試しに自らの手法をサーバントコーチングと称し、心理的力関係の排除に挑戦しました。引き出してもらいたい側と引き出そうとする側のあるべき関係性を追究したのです。しかし、そうやっても、コーチングの限界を超えることはできませんでした。
転機が訪れたのは、２００７年６月。
研修で足を踏み入れたチベットで見たものは、人生をかけて修行に明け暮れる僧侶達の姿でした。禅僧がただただ座る、ただただ祈る。その果てない修業を目の当たりにしたとき、自らの目指すものがはっきりと浮かび上がりました。
ただただ聞く。話を聞くことは、自分にとっての修行であり、話し手にとっての救いである。
それこそが、薮原秀樹の歩んできた道でありました。二者の間には一切の力関係がない。それどころか、もはや話す側と聞く側に境がなくなるほどの、いわば話聞一如の境地で人の潜在能力を最大限に引き出す、「話聞禅」が生まれた瞬間です。
話聞禅を広く普及するために、禅という宗教用語から「話聞道」の呼称に改められました。現在では「わもん」の呼称に統一されています。
話聞、和聞、輪聞、、、。
人それぞれに、色々な「わもん」があって良いのではないか。
「わもん」とともに、和の輪が広がって行く事、
「わもん」の命名には、そんな想いが込められています。
